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  • 執筆者の写真三橋美穂

120. ハートを開いて分かち合う

(2018/11/01)



毎年10月は、世界規模で乳がん検診の早期受診を呼びかけている「ピンクリボン月間」です。その関係で、乳がん患者さんとそのご家族をサポートしている団体のイベントが聖路加国際大学で行われ、今年のテーマが「よく食べ、よく眠る」ということで、睡眠の講師として登壇しました。

実は私は20年ほど前に、舌癌を患ったことがあります。今回の講演会の参加者は術後間もない方が多かったので、自然と自分の20年前の辛く苦しかった体験がよみがえり、その時のことを話していました。


・離婚の翌年に癌になり、人生のどん底だと感じたこと ・手術で舌の神経も切除したので、まともに話せなくなったこと ・人生は真っ暗なのに、生きているから仕方なく仕事に復帰したこと ・自分自身の健康のために、食や心理学の勉強をしたこと ・また体調が悪くなって、仕事を辞めたこと ・目の前にあることを誠実に取り組んでいたら、道が開けてきたこと など

私は癌になって初めて「死」がリアルなものになり、「死ぬって何だろう」「生きるって何だろう」「人生って何だろう」と、深く考えるようになりました。そして、そのことによって私の人生の質は確実に深くなりました。

参加者を力づけたいという想いから、そんなことをハートを開いて話している私がいました。もちろんメインの睡眠の話もして、ときに笑いも起こりながら、温かい空気に包まれた、とてもいい講演会になりました。

帰宅後にも静かな感動が自分の中にあり、この感動はどこから来るのだろうと、その日の講演を一つ一つ思い出していたら、「分かち合い」の歓びなのだと気がつきました。

「分かち合い」とは「分かり合うこと」=「共感」です。病気の不安にさいなまれている参加者に想いを馳せながら、自分の体験をオープンに話している私がいて、そして心が通じ合えている、その歓びなのだと思います。

過去約2000年間続いたうお座の時代に構築された現在の競争社会の中では、ハートを開いたり、分かち合う機会は多くありません。


うお座時代のエネルギーの特性は、個を育てることにありました。個としての自分を認識するためには、自分と自分以外は切り離されていて、分離している必要があったのです。それ故に、他に負けないように頑張らなければならない、競争社会が生まれました。競争社会の中では、自分の命を守ることが最優先なので、不安や恐れ、疑いの気持ちが沸き上がると、ハートを閉じてしまいます。

でも、もう時代は変わってきています。今、地球に入ってきているアクエリアスのエネルギーが強くなっていて、グループワークで協力し合いながら、信頼に基づいた新しい社会を構築していく時です。グループで共に仕事をするために必要なのは、ハートを開いて、通じ合い、分かち合い、信頼し合う関係性です。すべての人と、そんな関係が築けたとしたら、安心、安全は当たり前。自分を含め、他者やその他、すべての存在に肯定的になり、幸福感も高まるでしょう。

朝起きたら、 ハートを開いて家族に「おはよう」と言ってみる。

エレベーターに乗ってきた人に、 ハートを開いて「何階で降りますか」と聞いてみる。

マンションの管理人さんに、 ハートを開いて「いつもありがとうございます」と言ってみる。


そんな風に、ハートを開く練習をしながら、言葉とエネルギーを分かち合う歓びを、体験してみてください。

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