Sleepeace Café
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熱帯夜の睡眠法
熱帯夜はエアコンを一晩中つけておきましょう。
2020年の夏は、猛暑で熱帯夜の睡眠法についての取材が多く、FNNプライムオンラインの取材記事は、【Yahoo!ニュース】で総合ランキング1位になりました。
テレビだけでも10番組あり、反響が大きくて驚いています。
放送されたものを見ると、伝えたいことが少しズレていることがあるので、熱帯夜の睡眠法について、ポイントをまとめておきます。
<熱帯夜の睡眠法>
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室温が28℃を超えると熱中症のリスクが高くなるため、睡眠中も28℃以下を保つことが大切。エアコンの表示温度と寝ている場所に温度差があることが多いので、枕元に温度計を置いて確認してください。
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熱帯夜は朝まで冷房をつけっぱなしにしましょう。エアコンを使わないと、壁や天井にこもった熱(輻射熱)で、外気温よりも室内の温度が高くなり、寝室が28℃を超える危険性があります。
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28℃以下で自分が快適なら、室温は何度でも構いません。例えば、ものすごく暑がりで23℃で半袖半ズボン&タオルケットで快適なら、それでOK。ギンギンに冷やして冬布団を掛けて寝るのが快適なら、それもOK(エコではないけど)
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一番よくないのは、冷房が苦手だからと薄着になって扇風機だけでしのごうとしたり、タイマーで切れるようにすること。暑くなって目が覚めて、睡眠の質を落としたり、熱中症になるリスクが高くなります。
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冷房が苦手な人は「つけっぱなしにすると体がだるくなるから」といいますが、その原因は「寝冷え」。冷房を使いながら、体を冷やさないようにすることが熱帯夜のポイントです。
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まずパジャマを長袖・長ズボンにして、冷気が体に直接当たらないようにしましょう。場合によっては、肌着や腹巻、レッグウォーマーなども着用してください。(上着は半袖のほうが快適なら、それでOK)
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着衣で体に冷気が当たらない状態をつくり、タオルケットや肌掛け布団をかけ、それにちょうどいい温度にエアコンを設定。体質(暑がり・寒がり)によって快適な温度には差がありますし、使う寝具やパジャマの保温性によっても変わりますが、26~28℃が目安です。(省エネに配慮しつつ、多くの人が快適に眠れる温度)
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しっかり着ると身体周りの空間の温度が安定するので、朝までぐっすり眠れます。上掛けをタオルケットにして28℃、肌掛け布団で26℃など、いろいろな組み合わせを試して、自分のベストを見つけてください。
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節電したい場合は、通気性が高い敷きパッドを使いましょう。背中がマットレスに密着すると、蒸れて不快感が強くなるからです。ファイバー素材や、麻・イグサなど少し硬めの敷きパッドは体との間にすき間ができるので、高めの温度でも眠りやすくなります。
私自身、とても寒がりで冷房が苦手でしたが、薄着で29℃で寝ていた時より、厚着で26℃の方が熟睡できるようになり、自分でも驚きました。私の場合の厚着とは、長袖長ズボンのパジャマ&肌着・腹巻・レッグウォーマーで、これにタオルケットを掛ける場合は28℃、肌掛け布団の場合は26℃が快適です。
昭和の時代は今ほど暑くなく、暑ければ薄着&扇風機で乗り切ることができました。今は温暖化の影響で夜間熱中症が増えているので、冷房を使うことを前提にして、体を冷やさない工夫をすることが大切です。先入観にとらわれず、ぜひ試してみてください。