• 三橋美穂

121. 静かに自分と対峙する

(2018/12/01)



先週、「運命の貴族となるために」という本を、久々に読み返しました。人生の生き方をマスターするにはどうしたらよいかが、物語仕立てでシンプルに書かれています。


1929年にアメリカの出版社から発売され、著者はジョン・マクドナルド。名前以外、彼がどういう人物かもわからないまま、いまだに世界中で読み継がれている名著です。


日本では1996年に発売され、現在はタイトルが「マスターの教え」と変わり、飛鳥新社から発売されています。“マスター”と呼ばれている紳士から、主人公が人生の成功の秘訣を教わるというストーリーです。

改めて読みながら、人生の中で起きる出来事に、究極的な「よい・わるい」はないのだと再認識しました。私がハッとした文章がこちらです。


私たちにとって、何か一つのものを認識するということは、それと比較するために対立するものがあるということです。 さもなければ、それは存在しないこと同じです。

「光」を認識するためには「闇」が必要です。「光」のみでは、その存在を認識できないのは、みなさんもイメージできますね。


そして、「楽しい」を認識するためには「苦しい」が必要です。ずーっと楽しい状態にいると、それが「楽しい」とは認識できないからです。そんな二極の世界を、私たちは生きています。


つまり、「楽しい=よい」「苦しい=わるい」という意味はないということ。そう世間が意味づけしているだけです。

そして「最適な睡眠」を認識するためには、「不眠」「寝不足」「寝すぎ」「浅眠」など、最適ではない睡眠、最適とは程遠い睡眠を体験することで、最適な睡眠の素晴らしさ=睡眠の価値を認識できます。


睡眠負債をためて、最適とは程遠い睡眠をとっている人が圧倒的に多いのが、今の日本の現状です。私たちは意識があるときが活動のすべてだと思って生きているので、自分がやりたいことのために、まず削ろうとするのが睡眠時間です。

睡眠負債がたまると、次のような影響があります。

・集中力の低下 ・ミスや事故の増加 ・いつも疲れている ・食欲ホルモンが増えて肥満になる ・病気になりやすい(うつ、がん、高血圧など) ・ネガティブになる(気分が不安定) ・肌荒れ、髪のパサつき ・老化が早くなる


いいことは一つもありません。 健康状態から、パフォーマンス、人間関係、見た目の印象まで、覚醒しているときのすべてに影響するのが睡眠です。

でも、大丈夫! 今、どんなに悲惨な睡眠であったとしても、その体験があるからこそ、最適な睡眠が得られたときの感動と歓びが、大きなものになるからです。


「時間がない」「忙しい」という会話に振り回されて睡眠時間が取れない人は、とにかく1週間、毎日7~8時間眠ってみてください。「仕事が終わらない」「○○する時間がない」など、不安や焦りが出てくるかもしれません。それはあなたが、いつも一生懸命がんばっているから。


たっぷり眠っても、あなたは路頭に迷うことはありませんから安心してください。そして、やりたいことができなくなるわけでもありません。むしろ自分が本当にやりたいことや、大切にしたいことが明確になり、気持ちに余裕ができます。

先の本の中では、人生の成功をもたらす秘訣は、一日30分以上、できれば1時間、毎晩一人きりの時間を作り、自分の存在そのものと静かに対峙することだと述べています。

「平和」「正直」「思いやり」「自由」「知恵」「愛」「落ち着き」「誠実」「やさしさ」「いのち」「自信」「調和」「達成」「幸福」など、 パワーのある言葉が、今、自分にどのように訴えかけてくるかに気づくことが大切だと言います。私はこれらの言葉をリストアップして、ときどき眺めながら、ピタッとくる言葉をキャッチし、自分にパワーを与えています。

自分と対峙する静かな時間を持つことは、本来のあなた自身を力づけ、忙しくて騒がしい現代社会を生きるための、大きな知恵となるでしょう。