• 三橋美穂

133. 絶対的な愛

(2019/12/01)



先日、ローマ教皇フランシスコが来日し、大きなニュースとなりました。私はクリスチャンではありませんが、以前からフランシスコ教皇を尊敬しています。弱者に寄り添い、真の世界平和のために行動する姿勢と、オープンで温かい人柄には希望を感じます。

教皇の住まいは、豪華な宮殿ではなく聖職者用の宿舎。そして、移動の車は大衆車。貧困問題や環境問題への関心の高さを、実際に行動として示しています。教皇は若い神父や修道女を前に、こう話したことがあるそうです。

自分の車を選ぶ時は、どうか慎ましいものにしてください。もしあなたが豪華な車を欲しいと思ったら、世界中でどれだけの子ども達が飢えて死んでいるのかに思いを馳せてください。

『貧しい人たちのための教会』を目指し、宣言したフランシスコ教皇は、ホームレスの人々や、暮らしが困窮している家族をバチカンに招いて、ともにランチをとり、社会の日陰にいる人々に寄り添っています。また教皇は、サン・ピエトロ大聖堂前の広場には、ホームレスの人々が無料で利用できるシャワーと理髪店を開設したほか、診療所もあって無料で医療が受けられるようになっているそうです。

まさに、これからのアクエリアス時代のテーマ「分かち合い」を実践するフランシスコ教皇。思言考が一致している彼は、世界中で大変な人気で、行く先々で熱烈な歓迎を受けているのは、皆さんもご存知の通りです。

先日、ある情報誌を読んでいたとき、「分かち合い」をテーマにした記述に目が留まりました。

分かち合いを実践したいなら、たくさんの機会があります。 目の前にいるホームレスの人にお金をあげなさい。 彼らは誇りがあるのでお金を乞いません。

分かち合いによる公正な社会の顕現を願う私ですが、ホームレスを支援している団体に寄付をすることはあっても、ホームレスの人自身に直接お金をあげるという発想は全くなかったので、このことに興味を持ちました。

それと時を同じくして、イランの戦争孤児で女優のサヘル・ローズさんのインタビュー番組を見て、誰もがホームレスになる可能性があることに衝撃を受けました。

サヘルさんが4歳の時、大規模空襲によって住んでいた町が壊滅した4日後、奇跡的にサヘルさんを救出したのは、ボランティアで町を訪れていた大学院生の女性フローラ。孤児となったサヘルさんを養女として引き取ることを決め、一緒に暮らし始めたそうです。

しかし、裕福で高名な家柄に生まれたフローラさんは、家族から「家名に傷がつく」と反対され、勘当されてしまいました。そこで頼ったのは、学生結婚していて日本に留学中だった夫。小さなバッグ一つで幼いサヘルさんと二人、日本へ渡ったそうです。

しかし、ワンルームの狭い家の中で、次第に夫婦関係が悪化。夫から「自分をとるか、サヘルをとるか、どちらか選択して欲しい」と言われ、フローラが選んだのは養女にしたサヘル。家から追い出された二人は、お金もなく、食べるものもなく、ホームレスとなって、しばらく公園のトイレで寝泊まりしていたといいます。

こんなにも誠実で清らかなフローラさんのような人が、ホームレスになることがあるんだと驚くとともに、こんな理不尽なことがあってはいけない、こんな社会を変えないといけないと、胸が震えました。

この番組を見た4~5日後、私の家の近くの橋の上で、ホームレスのお婆さんを見かけました。2回目に彼女を見かけた時に「この人にお金を渡してみたい」という気持ちが芽生えている自分に気づきました。

3回目に会ったとき、数歩通り過ぎたあと「やっぱり渡したい」と思い、ドキドキしなから千円札を取りだして、「どうぞ使ってください」と渡すことができました。そのやりとりは単純なものでしたが、「分かち合いによる公正な社会の顕現」に向け、実際に行動できた自分には満足がありました。

これまで約2000年間続いた魚座のエネルギーで構築された時代は、強いリーダーに他が従う トップダウンの時代でした。これからのアクエリアス時代は、ひとり一人の意識が世界を変えて行く、ボトムアップの時代です。

誰もが最低限の暮らしが保証され、安心して眠れる社会となるよう、祈りと行動が広がっていくことを願っています。