top of page
  • 執筆者の写真三橋美穂

145. 取り組んでいる自分に価値がある

(2020/12/01)



先月、9カ月ぶりに対面でのセミナーを行いました。 しかも通常の睡眠セミナーではなく、「キャリア意識の向上」をテーマにして欲しいというリクエストを受けて、新しく作った内容でした。

数カ月前に連絡をいただいたときに、睡眠の話は少なくていいと言われ、驚くと同時に歓びが沸いてきました。「意識」については、私が一番伝えたいことだったからです。こんな依頼が来たことに興奮しました。

1時間という限られた時間の中で、エクササイズも入れながら、どこまでできるだろうかという不安もあったので、パワーポイントを作ったあとに何度か練習をしてイメージをつかみ、当日を迎えました。場所は甲府市役所で、1階にある会場は通路との仕切りがないため開放感があり、30脚ほどの椅子がゆとりをもって配置されていました。

セミナーのタイトルは、 女性のためのライフデザインセミナー 【新しい時代を私らしくどう生きるか? ~睡眠から考えるキャリア意識の向上~】

まず、自己紹介からスタートし、そして新しい時代とは何か、アクエリアス時代が始まろうとしている今という時代背景と、睡眠が注目されている理由について話しました。また、私自身がどういう意識でキャリアを築いてきたかについて、「在り方」をポイントに話を進めていきました。

私は常に「自分はどう在りたいか」を意識しています。たとえば、明るく開いて存在している人には、思わず声をかけたくなるでしょうし、困っていたら力になりたいと思うのではないでしょうか。逆に、いつも不機嫌でイライラしている在り方の人には、できるだけ関わらないように避けようとするのが、自然な反応だと思います。このように「在り方」は、周りの人々に影響を与えています。

そこで、なりたい自分のイメージをそれぞれ言葉で作って、 在り方を宣言してもらいました。

「私はあきらめない人です」 「私は思いやりのある人です」 「私は力づける人です」 などなど

在り方を創った瞬間はパワーが漲ってきますが、日々いろいろな出来事が起こる中で不安や焦りが出てくると、意識が下がってみぞおちの辺りがモヤモヤし、在りたい自分はいつの間にか消えてしまいます。そんなときは、不安がある自分をそのまま受け止め、心を落ち着かせて意識を上げて、在りたい自分に戻りましょう。

他人や状況は変えられませんが、自分を扱うことはいつでも可能です。「自分はどうしたいか、どう在りたいか」そこに焦点を当て続けていると、その揺るぎない存在の自分に見合う環境にまわりが変化していきます。「こんなことがしたいな」と思ったら「やりませんか」と声がかかったり、困っていたら助けてくれる人が現れたりと、仕事にも人生にも豊かさの循環が生まれてきます。

睡眠不足になると意志が弱くなって在りたい自分が消えやすいので、睡眠をとることの重要性もお話しして、セミナーを終えました。

実はセミナー直後の私は、手応えが今ひとつだったと感じていました。アンケートの結果を見たところ、悪くはないけど、すごく良くもなく、自分の感覚とも近い80点くらいの出来でした。せっかくの機会だったのに、それを生かしきれなかったことへの後悔と、自分の力不足を感じなから、「次に生かせばいい」と言い聞かせるように、私は帰途につきました。

復路の電車の中が寒かったこともあり、翌日は倦怠感がありました。満足いくセミナーができなかった後悔を引きずっている自分も知りながら、昼寝から起き上がろうとしたとき、セミナーの中で自分が言っていた言葉を思い出したのです。


一番のポイントは、「こういう自分で在ろう」と取り組んでいるあなたが、今、ここに存在していることです。出来たら素晴らしくて、出来ないからダメなのではありません。人間としての成長に取り組んでいることに、最も価値があるのです。

私は胸が熱くなりました。 与えられた機会を生かそうと、全力で取り組んだ私であったことは、自分が一番よく知っていたからです。

私たちが受けてきた教育は、評価で成り立っていたシステムなので、つい結果に執着してしまいます。そのことに気づいたら手放して、取り組んでいる自分を承認する。それが多様性を尊重する社会につながっていくのだと思います。

bottom of page