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  • 執筆者の写真三橋美穂

154. コロナ禍で顕現する地域の連帯

(2021/09/01)



私は今週、新型コロナウイルスのワクチン接種を控えており、睡眠をしっかりとりながら臨みたいと思っています。睡眠不足になると抗体が作られにくくなり、ワクチンの効果が低下してしまうからです。



私は運よく予約ができましたが、希望通りに接種できない状況であることは、みなさんもご存知の通りです。予約なしで受けられると注目を集めた、渋谷区の若者ワクチン接種センターの混乱ぶりには目を覆いたくなります。



そんな中、墨田区がダントツに接種率が高いことをご存知でしょうか? 8月16日付Yahoo!ニュースの記事を読んだら、行政と医療機関、住民が一体となって取り組んでいる様子が感動的で、今という時代を感じました。



40~50代の重症化が目立った8月上旬、この年代のワクチン接種率は自治体によってばらつきが大きくなっていました。8月13日付日経新聞電子版によると、1回目の40代接種率は、世田谷区や品川区が17.8%に対して、墨田区は60.6%、50代は71.9%にも達しています。



同区保健所長によると、最初から決して順調だったわけではなかったそうです。大きい施設はオリンピックで抑えられ、大学病院もない墨田区は、条件的には恵まれていませんでした。では、どのようなことをして、接種率を上げてきたのでしょうか。



◎高齢者枠を使ってでも、まず医療従事者に接種

医療従事者の接種は都道府県が行い、住民は市区町村を担当することになっていました。しかし、都の医療従事者接種が遅れたため、住民接種の枠を使って医療従事者から練習を兼ねてスタートさせたそうです。これは医療従事者の安全のみならず、士気を高める効果を生み出しました。



◎ワクチン接種券を早い時期に配布

他区の施設で働いている区民が、接種券がないために打ちそびれることを避けるために迅速に配布したそうです。



◎対象者の5%、1万2000人が自衛隊のセンターへ

65歳以上限定で行われていた自衛隊の大規模接種センターが、突然の年齢制限撤廃を発表。接種券を早期に配布していたため、自衛隊のセンターに赴いて接種を受けた人が想定以上に多かったそう。



◎災害時の助け合い「ファイザーは子どもに回そう」

常に隅田川の水害危機と向き合っていて、下町気質も残る同区。モデルナは副反応が出やすいという話が出るようになったとき、区内の大人たちから「自分たちは自衛隊へ行って、モデルナを打とう。ファイザーは子どもたちに回そう」という声が上がって、自衛隊での接種が増えたそうです。



◎区直営の集団接種をメインに

ワクチンは1瓶から6人分とらないといけないので、個別の診療所でやっていると余ってしまうことも。集団接種をメインにし、キャンセルが出た場合は、区のTwitterやメールで区民に告知して、ムダを出さずに接種を進めていきました。



そのほか

・丸投げするのではなく、自分たちで等身大の運営を

・住民の声を聞いて、駅近の接種会場を設置

・ワクチンの在庫を出し惜しまない

・当初から複数のワクチン使用をシミュレーション

・二転三転する国の方針にも柔軟に対応

・区議会も”危機モード”を共有、補正予算に迅速対応



知恵を絞って連帯しながら危機に立ち向かっていく様は、まるでドラマのようです。さらには、こんなエピソードも。



昨年、区のPCRセンターを設置するとき、独自の検査方法を模索していたところ、

「私はPCR検査ができます!」と申し出たのは保健所の検査技師。

2014年に代々木公園でデング熱が発生して以来、毎月のように区内の公園で蚊を採取して、PCR検査でウイルス感染の有無を調査し続け、腕を磨いていたそうです。



「商売にもならない蚊の検査を続けてきた検査技師が1人いたおかげで、コロナに対応できた。本当に、人は大事です。金にならないことをやって、危機に備える。これこそ公衆衛生です」と保健所長の西塚氏。



墨田区のコロナ対策の陣頭指揮をとっているのは、西塚氏です。トップダウン型の古いタイプのリーダーではなく、回りの人たちを巻き込みながら、志を一つに、共に創り上げていく様が新時代の到来を感じます。



2000年に一度の時代の転換期といわれる今、太陽と地球と整列状態になる星団が、パイシス(うお座)からアクエリアス(みずがめ座)に移行しています。地球に流入しているエネルギーの質が変わってきていて、強くなっているのは「統合」のエネルギー。



パイシスの個人性のエネルギーは急激に衰退しており、アクエリアスのエネルギーはグループを通してのみ流されます。それが地上で表現されたのが、墨田区の取り組みだと感じました。



分離から統合へ。競争から協力へ。

安心して眠れる社会まで、もう一歩。

意識を高く保ちながら、ポジティブな動向にアンテナを向けていきましょう。





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