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215. 眠りを妨げる「音」の種類別対処法

執筆者の写真: 三橋美穂
三橋美穂
3 日前
読了時間: 5分

(2026/10/01)



「夜中に外のバイクの音で目が覚めてしまう…」

「小さな音でも、一度気になり出すと眠れなくなってしまう…」


その悩み、実は「音対策のアプローチ」を少し変えるだけで、すっきり解決できる可能性があります。


睡眠の質を大きく左右するのが「寝室の音環境」です。

音に敏感な人ほどカーテンを買い替えたり、ホワイトノイズを流したりと、さまざまな対策を試しているのではないでしょうか。


ですが、「音の悩み」は、その音の種類や伝わり方によって対策が変わることをご存じですか?

どれだけ評判の良いグッズを試しても、音の種類と対策の相性が悪ければ、期待した効果は得られません。




【 理想の寝室は40デシベル以下 】


深い睡眠を得るために目指したい寝室の音環境は「40デシベル(dB)以下」です。

40デシベルの目安は、静かな図書館、深夜の住宅街のレベル。


WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、寝室の室内は30デシベル程度が望ましいとされています。30デシベルは、ささやき声や、郊外の深夜の静けさくらいの音で「とても静か」と感じるレベルです。できるだけ静かな環境を目指しましょう。


参考までに、身近な音の目安は次のとおりです。

  • 20デシベル:木の葉がふれあう音、雪の降る夜

  • 30デシベル:ささやき声、郊外の深夜

  • 40デシベル:静かな図書館、深夜の住宅街

  • 50デシベル:静かな事務所、エアコンの室外機(付近)

  • 60デシベル:普通の会話、テレビの音




【 まず知っておきたい!「遮音」と「吸音」の違い 】


音対策(防音)を始める際に、まず押さえておきたいのが「遮音(しゃおん)」と「吸音(きゅうおん)」の違いです。この2つを混同していると、対策の方向性を間違えてしまいます。



◎遮音

音を跳ね返し、外から室内へ(または室内から外へ)音が通り抜けるのを防ぐこと。

「外や隣室からの騒音を減らしたい」

「部屋の話し声を外に漏らしたくない」

ときに必要な対策です。



◎吸音

壁や天井に当たった音を吸収して跳ね返りを小さくし、室内での「音の響き(反響)」を抑えること。

「部屋の中で声や音が響く」ときに有効な対策です。


ただし、外や隣室から入ってくる音そのものを減らす効果は小さいため、その場合は遮音が基本になります。



つまり、

「外や隣室から入ってくる音を減らしたいなら遮音」

「寝室内での音の反響をやわらげたいなら吸音」

が基本となります。


この2つの組み合わせこそが「防音」です。




【 音の種類別対策 】


では、実際に寝室でよくある「音の悩み」ごとに、効果的な対策を見ていきましょう。



■ 外の車・バイクの音 → 「窓・サッシ」の気密・遮音対策


外からの騒音の最大の侵入経路は「窓」です。壁よりも圧倒的に薄く、隙間ができやすいためです。

手軽に行うならサッシの隙間テープが有効ですが、根本解決なら「二重窓(内窓)」の設置が最も効果的。気密性と遮音性が劇的に高まるだけでなく、「冬は暖かく、夏は涼しく過ごせる」という優れた断熱効果も得られるため、寝室の室温管理にもなり一石二鳥です。



■ 隣の部屋や外からの話し声 → 「ドア・壁・窓」の気密・遮音対策


人の話し声(中~高音域)は、小さな隙間からすり抜けてきます。

ドア下の隙間テープなどで気密性を高めるのが基本ですが、リフォームを検討している場合は「防音ドア」への交換も選択肢に入れてみてください。

構造自体がしっかり遮音設計されているため、生活音の漏れ・侵入を大幅に抑えられます。



■ 上階の足音・ドスンという重低音 → 「天井」側の対策


上階からの振動を伴う足音(床衝撃音)は、建物全体の構造を伝わって天井から響いてきます。

残念ながら、吸音材を貼ったりするレベルの対策では限界があります。

ベッドの位置を上階の生活動線からずらす、耳栓を活用する、あるいはホワイトノイズなどの別の音で気になりにくくする「サウンドマスキング」を試すのが現実的です。

ただし、重低音はマスキングの効果が出にくいこともあります。



■(逆に)ご自身のお子さんの足音が階下に響くのが心配な場合 → 「床」の防音・クッション対策


「うちの子どもの走る音や飛び跳ねる音が、下の階に迷惑をかけていないか不安…」という場合は、床の対策をしましょう。

ラグを敷くだけでは衝撃音を防ぎきれないため、厚みのある防音クッションマット(プレイマット)や、床衝撃音を和らげる性能の高い防音カーペットを組み合わせるのが効果的。

床に伝わる衝撃をクッションでやわらげ、階下へ響く振動を減らせます。



■ 隣室のテレビ・音楽の音 → 「壁・大型家具」による遮音対策


隣の部屋からの音には、音源となっている壁側に背の高い本棚やクローゼットなどの大型家具を設置するのが有効です。

家具と本が、ある程度の遮音壁の役割を果たしてくれます。



■ 同室のパートナーのいびき → 「耳栓・マスキング音」


同じ部屋の中で発生する音は、空間そのものの音を無くすことはできません。

自分の耳にフィットする遮音性の高い耳栓(フォームタイプやシリコンタイプ)を使うか、雨の音や川のせせらぎなどの「環境音」を流していびき音を脳に意識させにくくする「サウンドマスキング」が効果的です。


なお、大きないびきが続く場合や、睡眠中に呼吸が止まっているように見える場合は、睡眠時無呼吸症候群などの可能性もあります。耳栓などで対処するだけでなく、一度医療機関に相談することも検討してください。



■ 「ブーン」という家電・室外機の重低音 → 発生源の「振動対策」


室外機や冷蔵庫などから聞こえる「ブーン」という重低音(低周波音)は、空気中だけでなく壁や床を振動させて伝わってきます。

音の発生源(室外機や家電の脚の下)に防振ゴムや厚手の防振マットを敷くことで、床や壁への振動の伝播を直接抑えることができます。




【 まとめ 】


寝室の音対策は「ただ防音シートを貼れば解決する」というものではありません。

「どんな音が」「どこから」「どのように」伝わってきているのかを見極め、適切なアプローチを選ぶことが大切です。


「最近ぐっすり眠れていないな」と感じている人は、ぜひ今夜、寝室の音の発生源を静かに観察してみてください。


ご自身の悩みに合った対策を取り入れて、心地よい空間を整え、最高の眠りを目指しましょう!




 
 
 

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