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  • 執筆者の写真三橋美穂

22. 時間にブレイクスルーを起こす

(2010/09/01)



みなさんは、時間について考えたことはありますか?  朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて、身支度をして・・・。

私たちは過去から現在、未来へと向かっている時間軸の中にいるようですが、現実にあるのは“今、この瞬間”だけです。だからこそ、一瞬一瞬を大切にして生きましょう、「今を生きる」ことが大切ですと、最近は色々なところで言われています。そのことは、私も概念では知っているのですが、本当には自分が掴んでいないことも知っています。

人々が捕らわれているのは、過去の出来事や行動への後悔の思いと、未来への不安。

例えば、「自分が年をとった時には年金はどうなっているかわからないから、もっとお金を貯めなくちゃ!」と老後の不安を、今、抱えたり、 「この先、地球はどうなるかわからないから、好きなことをするんだ!」と、一見自由にやっているように見えても、不安への反動からの行動をとっていたり…。

でも、本当に扱えるのは、「今」この瞬間だけ、そして現実にあるのは「今」「今」「今」の連なりです。人々が“今、この瞬間”を掴み、生きることで、時間にブレイクスルーしたら、世界は平和になると言われています。

この「時間」というテーマは、私が持ち続けていることの一つですが、「今ここにいる自分」を練習する機会がありました。それは、3年近く続けた、障害をもつお子さんへのボランティアを通してのことです。

私が担当したのは、くみちゃんという、小学4年生のダウン症の女の子。 放課後に、学校から学童クラブまで付き添って一緒に歩く通所支援ボランティアを週に1回やっていました。くみちゃんが引っ越しをしたため、7月を最後にそのボランティアを完了したのですが、くみちゃんとの交流を通して、私はいろいろ学び、体験しました。

例えば、くみちゃんが道路にしゃがみ込んで遊び始めると、私は頭の中で、「いつまでこの遊びが続くんだろう…」と、先のことを考えているわけです。くみちゃんに付き合って遊んでいる振りはするのですが、そんな思いがよぎっている限り、くみちゃんは遊び続けて、その場を動こうとしません。一見、一緒に遊んでいるように見えても、心はここにない私では、くみちゃんには満足がないからです。 私には、くみちゃんは扱いきれないと思い、学童クラブの先生にヘルプをお願いしたこともありました。でも、あるとき、 「くみちゃんに、とことん付き合おう!!」と肝を据えたら、くみちゃんは一通り遊んで満足し、スムーズに歩くようになりました。

本当に自分のあり方次第なんだと掴みました。 そして、「今」の感覚が磨かれたように思います。

眠りにつくときにも、「今、ここにいる自分」に意識を向けてみてください。うれしいこと、楽しいこと、辛いこと、悔しいこと・・・、一日活動していれば、いろんな出来事があるでしょう。そして、それは、もう過去のこと。今あるのは、ベッドに横たわっている自分がいるだけです。 深呼吸をしながら、両腕、両足、お腹、背中、顔、首・・、 身体のひとつひとつに意識を向けて、力を抜いていきましょう。

今日の自分を完了して、新しく始まる明日の自分を、今日より成長している自分をイメージしながら、眠りにつきましょう。明日のあなたは、今日の延長のあなたではありません。

眠るときに練習しながら、時間にブレイクスルーを起こす! 私と一緒に、やって行きませんか。

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