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  • 執筆者の写真三橋美穂

23. 快適昼寝のコツ

(2010/10/01)



「昼寝をするなら、正午から午後3時までに15分~30分」 これは耳にしたことがあるフレーズだと思います。

なぜ午後3時までかといえば、遅い時間帯に寝てしまうと睡眠欲求が満たされて、夜の本睡眠に影響するからです。つまり、いつもの就寝時刻になっても眠くならず、寝つきがわるくなったり、眠りが浅くなって、睡眠の質が低下してしまいます。

うたう寝の影響は就寝時刻に近いほど、悪影響を及ぼします。夕食後にお腹がいっぱいになると、消化を促進するために副交感神経が働くので眠くなります。その眠気を我慢できずにうたた寝をしたら、本睡眠で眠れなくなってしまうのは当たり前のことです。

なぜ30分までかといえば、それ以上眠ると深い睡眠に入ってしまい、その後目覚めたときに、スッキリしない状態が続いてしまうからです。深い睡眠とは、ノンレム睡眠の3~4段階のことを指します。「ノンレム睡眠=深い睡眠」と思われがちですが、ノンレム睡眠は、浅くうとうとした状態から、深くぐっすり眠っている状態まで、4段階に分かれます。

電車で居眠りしている人を想像してみてください。 目を閉じてうとうとし始めた状態がノンレム1段階、すやすやし始めたら2段階、姿勢の維持ができなくなって、隣の人に寄りかかり始めたら3段階です。寄りかかった時にハッと気がついて、姿勢を戻すと睡眠段階も1~2に戻ります。

よく、昼寝は座った姿勢で眠るのがいいと言われるのは、座った姿勢を維持しようとするために、3段階以上の深い睡眠に入りにくいからです。

昼寝の時間が15~30分と幅があるのは、高齢になるとノンレム睡眠3段階に入るまでに時間がかかるので、30分まで大丈夫です。50代までは15~20分程度が適切な時間です。

「昼寝をする前に、コーヒーをのむとよい」こう言われるのは、コーヒーに含まれるカフェインの覚醒効果があらわれ始めるのが、飲んだ後20~30分後だからです。コーヒーを飲んで、昼寝をし、目覚めたころに、ちょうどカフェインが効き始めるので、スッキリ起きられます。

昼寝は寝入らなくても、目を閉じてうとうとしているだけで、脳は休まりリフレッシュします。人間の知覚の中で、視覚が占める割合は約8割とも言われているので、目を閉じて視覚情報を遮断するだけでも、脳の休息になるのです。

また、本人は眠っているという感覚はなくても、うとうとしている半覚醒状態はノンレム睡眠1段階です。このとき脳波はシータ波が出ていて、これは座禅を組んでいるときや、瞑想しているときと同じ脳波です。これによって、短時間うとうとするだけでリフレッシュするのです。

これらのことは個人差があるので、いろいろ試して自分なりの快適昼寝を見つけてみてください。

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