(2010/11/01)
社会企業家と呼ばれる人たちが出てきたり、企業の社会貢献活動が根づいてきたり、私自身も発展途上国のチャイルドへ支援していることなどからみても、世界は少しずつ明るい方向へ進んでいると思っていました。でも現実は、世界での飢餓人口は増えているのだそうです。それも急速に。
少なくとも、飢餓人口は減少していると思っていた私は、大きな衝撃を受けました。このことは、米国在住のエコノミスト、ラジ・パテル氏の「肥満と飢餓」(作品社)という本に、詳しく書かれています。
「なぜ世界で、10億人が飢え、10億人が肥満に苦しむのか」
世の中のひずみを薄々感じてはいましたが、この本に書かれているグローバルフードシステムの実態を知り、そのことによって、今、世界の諸問題、特に農業、食料、貧困、飢餓が、なぜ起きているかが明確になりました。
いろいろな問題が複合的で複雑に絡み合っていて、ひとりの人間として、具体的に今、自分が何をしたらいいのだろうと考えていたところで出会ったのが、「WorldShift(ワールドシフト)」(ビオ・マガジン)という本でした。
今、私たちはこれまでに経験したことがない多くの問題に、直面しています。環境問題、人口問題、エネルギー問題など、抜本的なシステム全体の変革を早急にする必要があると言われて久しいのですが、この本の中で著者のアーヴィン・ラズロー博士がわかりやすくシンプルに解決策を述べていて、明るい気持ちになりました。
一番の鍵となるのは、人間ひとりひとりの意識のシフト。地球全体のことを自分のこととして考え、グループで行動していく力をつけること。今までの上意下達の世界は古いモデルです。これからは、ひとりひとりの意識がシフトすることで、世界を変えていくのです。「持続可能かどうか」をバロメーターとして。
エネルギー問題についての記述の中で、「地球に達する40分間の太陽放射を余さず使えば、人類1年分のエネルギー需要をすべて満たせる」とあったのですが、これに私はピンときました。快眠セラピストとしての知識からも、太陽には大きなパワーがあることを知っていたからです。
例をあげると、朝起きて体内時計をリセットするのに、2500ルクス以上の光を浴びることが有効なのですが、室内照明では明るくてもせいぜい1000ルクス程度。でも太陽光は、晴天なら実に10万ルクス以上の明るさがあります。それはもう桁違いなのです。
日中に太陽の光を浴びると、夜間のメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌量が増えることもわかっています。「午前中に浴びる30分の太陽光は、睡眠薬1錠分にあたる」と例える研究者がいるほどです。
自然のパワーを吸収しながら、自分自身も自然の一部であることを認識し、宇宙との一体感を感じる時間を持ちましょう。20年後の明るい未来を目指して、ひとりひとりが目覚めるときが、今、到来しています。
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