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  • 執筆者の写真三橋美穂

49. 熟睡感を高める体づくり

(2012/12/01)



睡眠時間をしっかりとっているのに、朝すっきり起きられない人を、私は見た目で判断することができます。それはズバリ、「筋肉が少ない人」。自分が当てはまるのでよくわかるのですが、筋肉が少ないと熱を生み出す力が弱いので、活動に向かって、なかなか体温を上げていくことができません。

筋肉の少なさは、体の冷えにもつながります。半数以上の女性が冷えで悩んでいるといわれますが、睡眠中に体が冷えていると代謝機能が落ちてしまいます。その結果、疲れが十分にとれないまま、朝を迎えることになり、熟睡感も得られません。

筋肉をつけるためには運動するしかありませんが、このタイプの人はエネルギー不足のため、そもそも運動する意欲が湧きません。私も冷えには悩んでいて、運動以外のことで何とか対処できないかと、いろいろ試してきました。

玄米中心の食事にしたら、便秘が解消されるなど体調はよくなりましたが、冷えはあまり改善されませんでした。高周波で体の深部を加熱する温熱療法を受けて、体の芯からポカポカと温かく軽くなって、最初は感動しましたが、だんだんその療法に慣れてくると、変化が感じられなくなりました。今は運動をするようになりましたが、実はその意欲が湧くきっかけになったのが入浴です。

睡眠によい入浴法は、就寝1~2時間前にぬるめ(38~40℃)のお風呂に入ること。これが基本です。でも、バスクリンのお風呂博士、石川泰弘さんとお話ししていたときに、健康によい入浴のバロメータは、額にうっすら汗をかく状態にまでもっていくことだとわかりました。額に汗をかくのは、深部体温が37℃以上になったとき。体内の余分な熱を外に出そうとして、汗をかき始めます。

代謝がよければ、ぬるめでもすぐに汗をかき始めますが、冷えているとなかなか汗をかきません。とくに寒さに敏感で手足の末端が冷えるタイプは、汗腺も末梢血管も休眠状態。私の場合、始めた当初は湯温42℃(冬)の半身浴で20分くらいかかりました。

ぬるめだと、どれだけ長く入っていても汗をかかないのです。全身浴だと水圧で長時間入っていられないので、行きついたのが冬は42℃、夏は41℃の半身浴。お風呂のふたを半分閉めて、読書タイムにしています。炭酸ガス入り入浴剤やバスソルトなどを入れると、血行促進効果が高まるので汗をかきやすくなります。

この入浴法を始めて驚いたのは、朝の目覚めがとてもよいということ。そして体が軽く、肌にもっちりと弾力があるのです。

考えられる理由は2つあって、まず汗腺が活性化することによって、汗腺と連動している末梢血管が開いて、睡眠中に体の隅々まで血液が送られるようになったということ。そして、深部体温がしっかり上がることによって、細胞が活性化し始めたということです。

深部体温が高いままでは眠れないので、就寝までに1時間以上あけるようにして、冬はしっかり保温しながら、徐々に体温を下げていくようにしています。

入浴で体温が高いときの体調のよさを実感したら、運動を始めてみようという意欲が初めて湧いてきて、今では週に2回程度ホットヨガに通っています。

冷えていると熟睡感がないばかりか、肌がカサついたり、くすんだり、むくんだり、太りやすくなります。入浴と睡眠を足がかりにして筋肉づくりを始めて、美しく健康的な体を手に入れましょう。


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