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  • 執筆者の写真三橋美穂

51. いろいろな眠り方

(2013/02/01)



先日、赤坂に新しくオープンした、日本初の女性専用おひるねカフェ「クースカ」に行ってきました。ナチュラルでオシャレな店内は、カフェスペースと、お昼寝スペースに分かれていて、10分150円の時間料金制。料金内で、ドリンクとドライフルーツなどのスナックは、フリーになっています。

プラス600円でヘルシーランチも提供されていて、利用者の多くは、ランチの後に20~30分お昼寝をしていくそうです。カフェスペースではインターネットを使って仕事ができるように、フリーWiFiと各席に充電コンセントを完備。働く女性にうれしい配慮がいっぱいです。

オーナーの村瀬さんは、20代の女性。ご自身が広告代理店勤務で多忙だったときに、安心して仮眠できるところがあったらいいのに、との想いから作ったそうです。私も忙しくて睡眠不足のとき、移動の合間の空き時間に、ちょっと仮眠できるところが欲しいと思うことがしばしばあり、こんなお店を待ち望んでいました。

人間の適切な睡眠時間は、6~8時間程度が大多数。4~6時間の睡眠が2週間続くと、丸2日徹夜したのと同じくらい脳の認知機能は低下しますが、 最近のある調査では、5時間以下の割合が20~40代のフルタイムワーカーで3割もありました。昼寝が必要な人たちです。眠いときにはチョコッと眠ってリセットできる、そんなことが自由にできる社会になって欲しいと私は願っています。

睡眠の問題は、時間が取れないだけでなく、シフト勤務で体内時計が乱れることにもあります。日本のシフト勤務者は、およそ4人に一人。社会が24時間化して、効率を重視してきた結果、早番、遅番、夜勤など、仕事の形態に合わせて働き、眠るようになりました。

先日、ホテル従業員の人たちへ睡眠アドバイスをするために、勤務表を見せてもらって驚きました。

「日勤 → 日勤 → 夜勤 → 休日」の繰り返しだったのです。

夜勤は体への負担が大きいからと、連続しないように配慮するケースが多いのですが、実は夜勤はまとめた方が、疲労度が軽減することがわかっています。夜勤を同じ週にまとめて「夜勤週間」をつくると、労働時間は同じでも疲労度が4割も軽減するというシミュレーションの結果もあります。

午前、午後とも2時から4時の間は眠気が強くなるので、夜勤前と夜勤中には、この時間帯を中心に90分、または3時間程度の仮眠をとるとよいでしょう。

少し前のニュースで、黒柳徹子さんの睡眠法が話題になりました。夜10時に就寝して、夜中の2時頃に一度起床。そして、ひと仕事終えた朝5時頃に再び寝て、11時頃に起きるのだそうです。きっかけは、夜10時から深夜2時の間に、成長ホルモンの分泌が高まると知ったこと。「自分から出るものを捨てるのはもったいないから、寝よう」と思ったとこのと。2回とも、夢も見ないほど熟睡するそうです。

実はこの時間に成長ホルモンの分泌が高まるというのは間違いで、何時に寝ても深い睡眠がとれていれば、成長ホルモンは分泌されます。というわけで、徹子さんの思い込みではありますが、ご本人がその気で元気なのが一番。高齢になると、まとめて眠るのが難しくなるので、分割睡眠も一つのバリエーションとして選択に加えてもいいのではないでしょうか。

子育て中のママが、子どもと一緒に添い寝をしながら夜8時頃に眠って、午前2時頃に起き、明け方に少し寝る。そういうスタイルも、いいと思います。

眠り方は一つの決まった、正しい方法があるわけではありません。睡眠知識を活かしながら、年齢やライフスタイルに合わせて、あなたらしいスタイルを見つけて行きましょう。


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