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52. もっと眠りましょう!

  • 執筆者の写真: 三橋美穂
    三橋美穂
  • 2021年2月1日
  • 読了時間: 3分

(2013/03/01)



先日、国立精神・神経医療研究センターの研究で、睡眠不足が続くと、うつ病に似た脳機能低下が起こると発表されました。1日に4時間半程度しか眠れない睡眠不足が5日間続くだけで、うつ病のような情緒不安定さが現れるそうです。

最近のイギリスの研究では、6時間以下の睡眠が1週間続いただけで、700以上の遺伝子がダメージを受けることもわかりました。これらは、体内時計や新陳代謝、免疫、ストレス応答などに関係する遺伝子で、睡眠不足によるダメージで、肥満や心臓病を引き起こす原因にもなるそうです。

睡眠と肥満との関係は、多くの研究報告がありますが、睡眠不足になると食欲を増進させるグレリンというホルモンが増えて、食欲を抑制するレプチンが減少します。しかも、脳機能が低下して適切な食事を選択することができず、高カロリー・高炭水化物の、太りやすい食べ物を好むようになり、メタボ街道まっしぐら。

生活トレンド研究所が2013年1月に行った、フルタイムで働く20~40代の男女900名を対象にした調査では、約3割が平日5時間未満の睡眠でした。日本人の睡眠時間の短さは、世界でも韓国と並んで突出しています。

最適な睡眠時間に関する調査研究は、多方面からされていますが、美容や健康、記憶、幸福度など、あらゆる観点からみて、20~40代の人たちは一晩で7~8時間程度とる必要があります。(ショートスリーパーを除く)高齢になると睡眠時間は短くなるのが普通で、60才以上は6~7時間が目安です。

アメリカで行われた60組の夫婦を対象とした調査では、十分な睡眠をとっている人ほど夫婦円満であることもわかりました。相手への感謝の気持ちが大きく、その気持ちを言葉にして相手に伝えていて、問題解決能力テストでも、相手を思いやって励まし合う傾向が強かったそうです。

日本で睡眠時間が最も短いのは40代の女性ですが、奥さんの機嫌が悪いのは、睡眠不足が原因かもしれません。働き盛りの男性が、脳梗塞で突然倒れるのも同様です。しっかり眠って血圧を下げ、血管への負担を軽減することが、脳梗塞を防ぐのです。

これまで私は、睡眠時間がとれなくて疲弊している人たちに、できるだけ6時間は確保しましょう、と遠慮気味に言ってきました。

でも最近、こう思うのです。 うつ病になるほど、睡眠を削る必要があるのかと。 脳梗塞で倒れるほど、働く必要があるのかと。 睡眠不足で夫婦関係に亀裂が入っては、何のために睡眠を削って、がんばっているのかわかりません。

もっと睡眠の優先順位を上げましょう。 睡眠の質を高めたら、時間は短くて済むものではありません。 適度な時間も必要で、それが7~8時間。 「質(深さ)」×「量(時間)」です。

夜10時になったら、お風呂に入ると決めましょう。後のことはさておいて、実行するべし。テレビを見なくても死にはしませんが、眠らないと死んでしまいます。「そんなのムリ!!」という思考の枠を超えたとき、予想を超えた豊かな人生の扉が開きます。

 
 
 

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