(2013/11/01)
これから寒くなると活躍する、軽くて温かい羽毛布団。数千円~30万円くらいまで価格に幅がありますが、その差は何で決まるか知っていますか?
まず、「羽毛」と「羽根」の違いについて。寝具に使われるのは、たんぽぽの綿毛のようなボール状の「ダウン」と、羽軸がついた「フェザー」。ダウンを50%以上使用したものを「羽毛」、50%未満のものを「羽根」と呼びます。
羽根は軸が硬いため、肌にチクチク当たったり、生地の間から吹き出すことがあり、膨らみも出ないので、枕に使うことはあっても、掛け布団には向きません。「敷き布団&掛け布団&枕、セットで1万円!!」と激安をうたっている寝具は、まず間違いなく羽根布団。中に入っている羽根は、食肉用のダックやグースの副産物で、それを布団に仕立てています。激安品は、枕も掛け布団もゴワゴワで、ニワトリの羽が混ざっていることもあるのが実情です。
自分で毎日使うものなら、しっかり手に取って選びたいもの。羽毛布団の混率は、ダウン90%以上のものがおすすめです。ちなみに、選別過程で多少フェザーが混入するので、ダウン100%の羽毛布団はありません。
さらに大切なのは、「ダウンボールの大きさ=ダウンパワー」。ダウンパワーとは、1g当たりの羽毛のふくらみ度合いのことで、数値が大きいほど高品質。400dp(ダウンパワー)以上のものがおすすめです。羽毛が上質なほど、羽毛を包む生地も薄く滑らかなものを使用するので、使い心地も抜群。年齢を重ねてくると重いコートが気になり始めますが、その場合は、羽毛布団も軽くてボリュームがあるものを選びましょう。
その目安として有名なのは、日本羽毛製品協同組合が発行している、水鳥をデザイン化した「ゴールドラベル」という品質表示。グレードによって4種類ありますが、最上位の黒い「プレミアムゴールドラベル」は440dp以上、ベージュの「ロイヤルゴールドラベル」は400dp以上あります。上記の品質表示ラベルを使わずに、自社規格で表示しているところもありますが、一流メーカー品なら安心できます。
羽毛の産地はポーランド、ハンガリー、ドイツ、ロシア、カナダなど、「寒くて水がキレイな地方」がよいとされています。厳しい寒さを乗り越えるために、上質な羽毛が育つためです。
そのほか、購入時に確認したいのは、 ・手で押して離したあと、ふんわりと元に戻るか ・嫌な臭いがしないか ・縫い目がきれいで、羽毛の吹き出しがないか ・軽くたたいてホコリが出ないか
購入後のお手入れは、 ・午前10時~午後3時の間に ・風通しのよい日陰で ・片面1時間ずつ ・月に1~2回 ・たたかずに、ホコリを軽く払う
布団乾燥機を使う場合は、高温になりすぎると劣化が早まるので注意ましょう。
羽毛布団は使っているうちに、だんだんボリュームがなくなってきます。5年を過ぎたら点検し、時期を見てリフォームしましょう。汚れなどで固まった羽毛が、リフォームによってふっくらと回復します。
いい羽毛布団は、使ってみると寝心地が全然違います。大切なのは「ダウンパワー」と、「生地の軽さとなめらかさ」。シングルサイズの場合で、羽毛の充填量が1.0~1.2kgで十分なふくらみがあることが目安です。
信頼できるお店やメーカーのもの、品質表示がしっかりされているものを選びましょう。毎晩使うものなので、満足のいく、よい羽毛布団を購入してください。
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