• 三橋美穂

73. 不規則な生活には“アンカースリープ”を

(2014/12/01)



今年は独立して12年の中で、最も忙しい一年でした。先月は、丸々一日休めたのは1日だけで、海外&国内出張や、イベント、講演、打ち合わせ、取材、テレビ出演など、本当に目まぐるしい1か月でした。 海外出張というと羨ましがられますが、行ったのはホテルと、イベント会場のデパートと、空港のみ。途中で体調を崩しそうになるほど、弾丸スケジュールでした。

ここ2~3日は、右目の奥が痛むようになってきました。明らかに眼精疲労。いろんな締切が次々にやってきて、徹夜をした日もあったので、さすがに身体が悲鳴を上げているようです。

いつもは「睡眠を大切にして、しっかり眠りしましょう」と話している私に、最近依頼があった講演テーマは、「徹夜をするときの眠り方」。何というタイミングなのでしょうか。「忙しくて睡眠時間が取れないのは、タイムマネージメントができていないようなもの」と言ってきた私ですが、そんな人たちの気持ちが、今はわかります。

私が今、取り組んでいるのは、目の前にあることに集中すること。

忙しいときは、 「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」「うわぁ、無理かも」と、絶えず頭の中がうるさいのす。そして、今やらなくてもいいことをやっていて、本当にやるべきことに手を付けていなかったりします。

睡眠の一番の目的は大脳を休めること。中でも人間らしさを司る、「前頭葉」をクールダウンさせることが重要です。ここは、考える、記憶する、アイディアを生みだす、状況にあわせて判断する、感情をコントロールする、などの司令塔なので、不眠不休で働けば働くほど、パフォーマンスは下がります。

「今日はどうしても徹夜しなければならない」というときには、深夜0時頃から90分眠りましょう。なぜなら、18時間起き続けた状態は、酒酔い運転と同レベル。運転していたら「5年以下の懲役、または100万円以下の罰金」になるほど、脳は朦朧とした状態なのです。朝7時に起床した場合は、午前1時頃には、脳は酩酊状態です。

眠るときには、90分後にスッキリ起きて、仕事に集中している自分をイメージしましょう。体を横たえて、明かりは半分くらいに落とします。 目覚めたら、顔を洗ったり、冷たい風に当たって、眠気を飛ばしましょう。その後、仕事している途中でまた眠気が来たら、今度は15分の短い仮眠を、椅子に座った姿勢でとるようにします。

実は、眠気を我慢してコーヒーを飲んで起きているのは逆効果。カフェインの働きは、睡眠物質が睡眠中枢に働きかけるのをブロックするだけで、疲れはたまり続けているので、能率は下がる一方です。

また、忙しくて不規則な生活が続くと、睡眠時間や眠るタイミングがまちまちになって、体内時計が乱れます。すると、時差ボケのような、不眠、昼間の眠気、倦怠感、意欲の低下、食欲不振、頭重感が起こります。

その影響を最小限におさえる方法が、アンカースリープ。アンカーとは、「いかりを下ろす」という意味で、必要な睡眠時間の半分は決まった時間に眠って、生体リズムを乱さないようにすること。その人にとって最適な睡眠時間が7時間の場合、その半分の3時間半は毎日決まった時間にとって(例えば、午前1時~4時半)、残りの3時間半は、眠れるときに眠るという方法です。

朝昼晩の食事の時間を固定することを「アンカーミール」といい、上記で説明したアンカースリープと一緒に行うと、さらに効果的。忙しいときは、このアンカースリープ&ミールで乗りきりましょう。ただし、このアンカースリープは身体に負担がかかる眠り方なので、2週間が限度だと言われています。

ときどき深呼吸することに意識を向け、心を落ち着かせて思考を鎮め、仕事に集中する。すると能率が上がって、睡眠時間が取れる。 このスパイラルに入っていきましょう。