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執筆者の写真三橋美穂

78. 一人ひとりの存在が、世界に影響を与える

(2015/05/01)



先日、1926年創刊の寝具・寝装品の専門紙『寝装リビングタイムズ』を発行していた会社が解散し、90年の歴史に幕を閉じました。私は3年前から、こちらでコラムを連載していたので、知らせを聞いたときは本当に驚きました。

いろいろな出来事が重なって、突然の解散となったわけですが、驚きつつも、時代の転換期の今は、このような変化はもっと起きてくるだろうと思いました。働き方も、家族の形態も、教育も、これまで常識と思われていたことが、どんどん変化していくでしょう。新しいアクエリアス時代に必要なのは、全体を捕えながら、個人の行動に落とし込んでいく力です。

たとえば、食べ物を余らせて捨てている国がある一方、4秒に一人が飢餓で亡くなっている現実があります。食糧が必要な国や場所に適切に運ばれて、すべての人が満たされていることを願いながら、「TABLE FOR TWO」の健康定食をオーダーする。そんな行動が、アクエリアス時代にマッチした新しい世界を創ります。

アクエリアス時代は、すべての人たちに適切な住まいと教育、食べ物が行き渡る、豊かな世界だと言われています。困っている人がいたら、支え合うのが当たり前の世界。もう一人でがんばる必要はありません。

一人でも多くの人が、そこに向かって行動し始め、ティッピングポイントを超えたとき、世界は一気に変わります。ティッピングポイントとは、それまで小さく変化していたある物事が、突然急激に変化する時点を意味する言葉で、臨界点や閾値と言い換えられることもあります。

世界がトランスフォームするティッピングポイントは、かなり近づいていると言われています。「一は全体であり、全体は一である」という概念があるように、一人ひとりの存在が、世界に影響を与えているのです。

このことを、先日、友人と話をしていたときに、私はハッとしました。最近、自分自身を振り返ってみたとき、あまりの忙しさに、不規則で短い睡眠が続いていたからです。先月は、月の半分は出張というハードスケジュールで、目の前の仕事をこなすために、睡眠を犠牲にしていました。 「睡眠を大切にしましょう」と、他の人に言っている私なのに、恥ずかしながら、自分の睡眠は粗末なものでした。

そしてこの時に気がついたのです。 自分自身が健康であることが、世界の健康を創りだすのだということを。

私の人生が、この肉体の範囲で完結していると思えば、自分の健康は後回しにして、頑張りすぎてしまいます。でも、この私が世界に影響を与えていると思ったら、自然に行動が変わりました。この日は11時に就寝し、自分の健康と世界の健康を願いながら、朝7時までしっかり眠りました。

あなたがぐっすり眠って健康であることが、世界の健康につながっている。 そう意識して、眠りについてみてください。


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