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94. 個性が尊重される新しい社会を

  • 執筆者の写真: 三橋美穂
    三橋美穂
  • 2021年2月2日
  • 読了時間: 4分

(2016/09/01)



先月、フィンランド政府は「ベーシックインカム」実験についての法案を提出しました。6月には、スイスで国民投票が実施されました。(結果は否決)アメリカのベンチャーキャピタル、Yコンビネータ社の社長は、「ベーシックインカムの研究に投資したい」と言っています。

今、世界的に注目されている「ベーシックインカム」。これは、国民の最低限度の生活を保障するため、国民一人一人に現金を給付するという政策構想です。それによって、年金・雇用保険・生活保護などの社会保障制度、公共事業を縮小し、「小さな政府」を実現するのに役立つと言われています。

小さな政府とは、民間で過不足なく供給可能な財・サービスにおいて政府の関与を無くすことで、政府・行政の規模・権限を可能な限り小さくしようとする思想または政策です。(Wikipediaより)

例えば、一人8万円を給付するとしたら、4人家族ならベーシックインカムは32万円です。(子どもは減額するシミュレーションもあります)

私たちは、対価として現金を得る労働を「仕事」と呼んでいます。家事労働や子どもの世話、老人介護などを担う、主に女性がしている労働は、ベーシックインカムによって仕事ととして平等に対価を得ることができるのです。

ベーシックインカムは、格差是正や少子化対策にもなり、ボランティア活動や芸術的創造活動、起業など、個々人の関心事を達成することが可能になります。

スイスの国民投票で否決されたのは、人々が働かなくなるのではないか、難民が押し寄せるのではないかなどの懸念からですが、ベーシックインカムを世界規模の仕組みとすれば、人間らしい生き方ができる、素晴らしい社会になるのではないでしょうか

ホリエモンこと堀江貴文さんも導入賛成派で、テレビでこんな発言をしています。(BLOGOSより引用)

多くの企業で不況時に無理矢理仕事を作り、雇用を維持して赤字になっている。給料を払うために社会全体で無駄な仕事を作っているだけ。  みんな労働信仰に支配されてイヤイヤ働いている。だったら政府からお金をもらって好きなことをすればいい。 絶対やらなきゃいけないような仕事の給料は上がるし、もし仕事がなくなったってベーシックインカムがあるから安心。 子どもを作れば0歳児からベーシックインカムがもらえるようにすれば、少子化対策になる

なぜ私がこの仕組みに興味を持ったのかと言えば、睡眠の個性に合わせた働き方ができると考えたからです。適切な睡眠時間は6~8時間の成人が多いのですが、9時間以上の睡眠を必要とするロングスリーパーの人たちは、睡眠を削って社会のしくみに合わせて生活しています

都心では睡眠時間が5時間を切る人も多く、睡眠不足によって体調を崩したり、パフォーマンスを落としている人たちが大勢います。「意識を変えて、もっと睡眠時間をとりましょう」と言っても、共働きで必死に子育てをしている人たちを見ていると限界を感じます。

子どもの夜型&睡眠不足も問題になっていますが、社会の仕組みを大きく変えれば、問題は消えてしまうと私は常々思っています。ベーシックインカムで社会の仕組みが根底から変わることによって、日本人の睡眠不足も解消される、と明るい光が見え始めました。

先日、高校生のときに睡眠障害になって、半年間入院治療をしたという、大学3年生の女性に会いました。睡眠リズムがバラバラで、夜更かし朝寝坊の不規則な生活を送っていたことで、ある日突然、朝起きられなくなり、学校へ行けなくなったと言います。学校で嫌なことがあったわけでもなく、勉強が嫌いだったわけでもなく、社交的な彼女は学校へ行きたいのに行かれなくなって、睡眠障害だとわかるまで苦しんだといいます。 入院中は夜10時に寝て、朝6時に起きる規則的な生活で、体内時計を整えていったのですが、学校生活に戻って忙しくなると、今でも睡眠障害の症状が出てくると言います。現在、卒業後の仕事について考えている彼女は、自分の睡眠にマッチした働き方ができたらいいのに、と言っていました。

社会の仕組みに自分を合わせるのではなく、睡眠障害があっても、朝型でも夜型でも、ショートスリーパーでもロングスリーパーでも、そのほかいろいろな個性に合わせた生き方、働き方ができる社会を創っていくことが、これからの私たちの大きなテーマだと思っています。

豊かで平和な世界への第一歩が、ベーシックインカムだと私は信じています。実現に向けて、一緒に力を合わせて行きましょう。

 
 
 

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