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  • 執筆者の写真三橋美穂

156. つながりの世界

(2021/11/01)



先日、テレビの企画で「睡眠のプロ3名による座談会」への出演依頼が、2番組続けてありました。1つ目は自分自身が使ってよかった睡眠グッズの紹介、2つ目は最新睡眠グッズのランキングをつけるという内容です。紹介するグッズは変わるものの、「プロ3名の座談会」は同じ。こういうシンクロニシティを、私はよく体験します。



例えば、「日経ビジネス」と「プレジデント」、「リンネル」と「天然生活」のように類似雑誌から続けて取材依頼があったり、「花王」に続けて「ライオン」から講演依頼を受けるなどです。



シンクロニシティとは心理学者ユングが提唱した概念で、意味のある偶然の一致のこと。「共時性」「同時性」と訳されています。



例えば、あの人どうしているかなと考えていたら、相手から電話がかかってきた。

あそこに行きたい!と思いたち、飛行機の予約をしたら最後の1席だった、などです。



人の意識には「顕在意識」と「潜在意識(無意識)」がありますが、ユングは個人の潜在意識の奥底には、人類が共有している意識「集合的無意識」があることを発見しました。シンクロニシティーは、この集合的無意識の働きとされています。



イギリスで発行された「The Web of Meaning(意味の網)」の著者ジェレミー・レント氏は、インタビューでこう語っています。



「つながり」という世界観は、個人としての私たち自身や、地球に関連してすべての種にとっての、信じがたいほど肯定的な前進の道を示している見方です。現代の分離の世界観は、人類の文明にとって危険で害悪があるだけでなく、間違っていることを本書で明らかにしました。



レント氏は、知覚や感受性のことを「生きた知性」と呼び、概念的知性(脳で得た知識)よりも、多くの点でずっと賢く、より深く、より複雑で、より広大であると述べています。



知性を持つのは特定の動物だけでなく、樹木さえも持つことを生物学者たちは明らかにしているそうです。樹木はおよそ30~40の異なった感覚を持っていて、それらを統合し、一瞬一瞬判断を下しています。



また、細胞学者たちは、人体にある約37兆個の細胞一つひとつに何十という通路があることを発見しました。細胞はそれを通して周囲の状況を監視し、何を取り込み、何を外に出すかを決め、複雑な方法で自らを組織立て、周りの細胞の共同体と一緒に働いて、何をするのかを決めているそうです。



生きた知性と概念的知性を認識し、私たちは統合された心身の知性だということを認識すれば、もっと統合的な人生を送り始めることができます、とレント氏。



すべてはつながりあって、影響しあっていると認識すれば、他者や自然界にも優しくなれるのではないでしょうか。



最近、友人に教えてもらったミュージシャン、藤井風さんはそれを在り方や音楽で体現している人だと感じました。ファーストアルバム『HELP EVER HURT NEVER』は、「常に助け、決して傷つけない」という意味。愛と優しさ、魂とのつながりなど、人間の霊性を表現している彼が、今、絶大な支持を集めていることに、新しい時代を感じます。



死生観を歌った彼の楽曲「帰ろう」の一節を紹介します。


 ああ 全て与えて帰ろう

 ああ 何も持たずに帰ろう

 与えられるものこそ 与えられたもの



「自分が与えられるものは、神から与えられたもの」だと私は再認識して、胸が熱くなりました。



分離の意識で他から奪うことで争いや枯渇を生む世界から、つながりの意識で与え、与えられる優しく温かい世界へ。

これからの時代の眠りは、ハートフルでピースフルになっていくことでしょう。

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