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178. すごいぞ!仮眠のチカラ

  • 執筆者の写真: 三橋美穂
    三橋美穂
  • 2023年9月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年12月5日

(2023/09/01)



今、あるプロジェクトで仮眠の効果を検証しています。

短時間の仮眠は脳機能を回復させ、パフォーマンスが高まることが、先行研究でも報告されています。



仮眠は深い睡眠に入る前に起きるのがポイントなので、55歳未満は15~20分、55歳以上は30分以内が適切です。55歳以上が長めなのは、加齢によって入眠までに時間がかかるようになるからです。



現在、プロジェクトメンバーでプレ実験中で、15分の仮眠前後に「眠気の自己評価」と「認知機能テスト」を行いました。私も参加したのですが、仮眠の驚くほどの効果を目の当たりにしました。



その日は朝から体調がよく、仮眠前ははっきり目覚めていて思考はクリアーでした。仮眠前の認知機能テストがやや複雑だったので、仮眠中にいろいろ思い返していました。



ようやくまどろみ始めたところで、15分の合図が聞こえて起きました。寝入った自覚はなく、思考のクリアさは仮眠前より少し下がっていると感じていました。



そんな状態で、再び認知機能テストを行ったら、文字がクッキリと見え、ものすごく回答スピードが上がっていたのです。あまりの速さに、タイマーをかけ間違えたと思ったほど。問題の達成数が約2割増しになっていました。



仮眠後の脳がスッキリしている感覚はなかったのに、問題を解きながら脳機能が向上していることに気づいて、驚嘆しました。積極的な短時間仮眠を「パワーナップ」と呼んでいますが、まさにパワーがみなぎるとは、このこと。そんな体験でした。



仮眠は眠い時にしていましたが、これからは眠気の有無にかかわらず、習慣化していこうと思います。



今回の体験を通して、もう一つ洞察が深まったことがあります。


「6時間睡眠が5日間続くと、一晩徹夜した状態と同じくらい脳機能が低下する。しかも6時間睡眠に慣れると眠気を感じないので、脳機能が低下していることに気づかない」



これは、米ペンシルバニア大学などの研究チームが行った実験でわかったことです。具体的には反応速度の低下がみられました。仕事の生産性が下がったり、ミスや事故がおこりやすくなるということです。この「本人の自覚はなくても、脳機能が低下している」を身をもって体験することができました。



最近、人気があるセミナーに「働く人の睡眠マネジメント~ 睡眠時間が取れない!の対処法 ~」があります。7~8時間の睡眠が必要な人が多いのですが、日本人は世界で一番睡眠時間が短いことで知られており、働き世代は6時間の睡眠さえとれない人が約4割にのぼります。

対処法の1つに「仮眠で補う」ことをレクチャーしていますが、今回の実体験によって言葉にパワーが乗り、より伝わるのではないかと思っています。



早速、来週このテーマでセミナーがあるので、反響が楽しみです!

このナッププロジェクトの最終的な結果は、後日シェアさせていただきます。



 
 
 

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