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  • 執筆者の写真三橋美穂

179. 体内時計と時間栄養学

(2023/10/01)




私たちの体は食べ物によってつくられているので、栄養やカロリーを考えながら食事をしていますが、そこに「いつ食べるか」というタイミングを加味したのが時間栄養学です。同じものでも食べる時間によって太りやすくなったり、痩せやすくなるのは、体内時計の働きが大きく関与しています。



体内時計が乱れると体が時差ぼけ状態になり、細胞一つひとつの働きがわるくなります。それが胃腸の不調や倦怠感、頭痛、不眠、肥満などを引き起こし、ひいては生活習慣病やがんなどの病気につながっていくこともあります。



体内時計を整えるためには、まず睡眠のリズムを一定に保つこと。就寝・起床時刻をできるだけ揃え、休日に朝寝坊をしないことです。



食事の規則性も大切で、朝・昼・夕食は毎日同じ時間にとるのが理想。不規則な食事によって起こる時差ぼけ状態を「イーティング・ジェットラグ」と呼んでいます。



では、何時に何を食べればよいのでしょうか。



まず、朝食に必要なのは炭水化物。体内時計は24時間より少し長いので、それをリセットするためです。炭水化物の糖質によって血糖値が上がると、それを下げようとしてインスリンが分泌されます。このインスリンに体内時計のリセット効果があることがわかっているのです。



砂糖をとればいいと思うかもしれませんが、砂糖は糖化を引き起こします。たんぱく質と余分な糖が結びつくことでたんぱく質が劣化し、AGEという老化物質を生成。血管に大きなダメージを与えたり、シミ、しわ、ニキビなどのトラブルの原因になるので、砂糖は控えた方がいいのです。



たんぱく質に含まれる「トリプトファン」という成分は、睡眠ホルモン「メラトニン」の原料になります。体内で変換されるのに時間がかかるので、朝食でとっておく必要があるのです。



魚の脂に含まれるDHA/EPAは、中性脂肪と悪玉コレステロールを下げる働きがありますが、これは朝の方が吸収が早いことがわかっています。ご飯と焼き魚、味噌汁という旅館の朝食のような組み合わせは、時間栄養学からみて理想的といえます。



カフェインにも体内時計のリセット効果があることがわかっています。しかもその効果は非常に高いので、朝のコーヒーは理にかなっています。ただし、夜のコーヒーは体内時計を遅らせるので、なかなか眠くなりません。夕方以降はとらないのが賢明です。



昼食を抜くと、夕食後の血糖値が上がりやすくなるので、野菜とたんぱく質をバランスよくとりましょう。カレーやカツ丼など、炭水化物のドカ食いをすると、血糖値が乱高下して午後の眠気が強くなり、仕事に支障をきたすので気をつけましょう。



夜は血糖値が一番上がりやすいので、ご飯は少なめにして、糖の吸収を抑える食物繊維をとりましょう。夕食に食物繊維をとると、睡眠の質が上がるという報告もあります。食物繊維は、野菜や海藻に多く含まれています。



昼食から夕食までの時間が空く場合は、夕食をとったときに血糖値が急激に上がるので、18時ごろに補食をしましょう。おにぎりやバナナなどがおすすめです。



食事の間隔を短くするだけで、痩せることもわかっています。


一日の食事の時間帯が14時間以上(例:7時~21時)で、肥満の人を対象に実験しました。食事の時間を10~11時間(例:7時~18時)に制限して3週間継続したところ、平均3.27kg減量したそうです。時間帯以外の制限はありませんでした。




時間栄養学の「食べるタイミング」を活かして、健康な体と質のよい睡眠を手に入れましょう。

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