198. よい睡眠をもたらす食事と栄養
- 三橋美穂
- 5月1日
- 読了時間: 3分
更新日:5月2日
(2025/05/01)
先日、筑波大学から睡眠と栄養に関する大規模調査の結果が発表されました。これはスマートフォンの睡眠ゲームアプリ「ポケモンスリープ」と、食事管理アプリ「あすけん」を同時に使用している4,825人分のデータを解析したものです。
毎日の食事内容の記録から数値化された14項目の栄養素と、スマートフォンに内蔵された3軸加速度計データから得られる総睡眠時間、睡眠潜時(入眠までの時間)、中途覚醒時間のデータを分析しました。
その結果わかったことは、
タンパク質の摂取量が多い人は、総睡眠時間が長い
食物繊維の摂取量が多い人は、総睡眠時間が長く、入眠までの時間と中途覚醒が短い
ナトリウム摂取が多い人は総睡眠時間が短く、入眠までの時間と中途覚醒が長い
炭水化物を多く摂ると、入眠までの時間は短くなるが、摂取量が極端に多すぎると睡眠が浅くなる
総エネルギーが高いほど総睡眠時間が短く、中途覚醒が長い
多価不飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸の摂取が多い人は、睡眠時間が短い
*多価不飽和脂肪酸が多い食品:ひまわり油、ベニバナ油、コーン油など
*一価不飽和脂肪酸が多い食品:オリーブ油、菜種油、調合サラダ油など
多価不飽和脂肪酸の摂取が多い人は入眠までの時間と中途覚醒が短くなるが、一価不飽和脂肪酸の摂取が多いと入眠までの時間と中途覚醒が長くなる
タンパク質が重要なのは、睡眠ホルモンのメラトニンの原料になる物質「トリプトファン」含まれているからだと考えられます。
食物繊維は血糖値の上昇を抑える働きがあるため、血糖値スパイクを防ぎ、自律神経が安定するため、睡眠にもよい影響をもたらすのだと思います。
米コロンビア大学の研究でも、夕食に食物繊維を多く摂取すると入眠が早くなり、深睡眠が増加したと報告されています。逆に、脂肪や糖分の摂取量が多いと、入眠に約30分かかり、深睡眠が減り、中途覚醒が増加し、乱れた睡眠になりました。
就寝までに消化を終えていることも睡眠の質を左右するので、食事は就寝3時間前までに終えましょう。遅くなったら量を減らすか、消化のいいものにしてください。
食事と睡眠の関係をまとめると、
タンパク質と食物繊維はしっかりとる
塩分、脂質、糖分は控えめにする
炭水化物は適宜とり、食べ過ぎない
夕食は就寝3時間前までにとる
こうしてみると、必然的に健康的な食事メニューになります。健康的な食事が健康な体をつくり、健康な体がよい睡眠をもたらすといっても過言ではありません。毎日の食事の工夫で、よい睡眠を目指していきましょう!
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