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200. 本当はすごい!レム睡眠

  • 執筆者の写真: 三橋美穂
    三橋美穂
  • 7月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:7月3日

(2025/07/01)



睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があることは、ご存じだと思います。レム睡眠の「レム」は「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の頭文字。眠っている人を観察していると、眼球が素早く動くタイミングがあることがわかったのが1953年。この時、脳波は覚醒時のように活発なパターンを示し、同時に夢を見ていたと報告することが多いことも確認され、これがレム睡眠発見のきっかけとなりました。



レム睡眠は、ただの浅い睡眠と思われていますが、そうではありません。近年の研究で、レム睡眠には重要な役割があることがわかってきました。



  • レム睡眠中、脳内の毛細血管の血流が2倍近く増え、酸素や栄養が効率よく供給される


  • レム睡眠中に老廃物が除去され、脳が“リフレッシュ”される。


  • レム睡眠が不足すると、このメカニズムが働かず、認知機能の低下や認知症リスクが増す可能性がある。


  • レム睡眠にはノンレム睡眠中に現れる徐波(深い眠りの特徴的な脳波)を増やす働きがある。


  • レム睡眠中に記憶された情報が整理され、問題解決に必要な準備が行われる。


  • 強い感情や初めての体験を記憶する時、海馬の記憶痕跡細胞(記憶に関わる神経細胞群)が活性化。レム睡眠中にそれが再活性化され、記憶が強化される。


  • 恐怖を植え付ける実験の後に睡眠を取ると、恐怖心が軽減されるが、レム睡眠を十分に取った場合、この効果が大きい。



いかがですか?

レム睡眠の重要性が、ご理解いただけたと思います。



レム睡眠中の脳はアイドリング状態に近く、すぐに活動を始められるよう準備を整えています。こうした状態で、創造性や複雑な推論、学習、記憶などの高度な脳の働きを支えているのです。



レム睡眠は「夢見睡眠」とも呼ばれるように、ストーリー性のある夢を見ています。夢はノンレム睡眠中にも見ますが、記憶には残りません。



レム睡眠中は、視覚情報を処理する脳の領域が強く活動しているので、夢の映像が色鮮やかで現実のように感じられます。さらに、感情を司る扁桃体や記憶を扱う海馬も活性化するので、夢がリアルで強い体験となります。一方で、理性を司る前頭前野の活動は低下するため、夢の内容は非現実的になりやすいと考えられています。



しかも偏桃体は、恐怖や不安などネガティブな感情に深く関わっている部位なので、嫌な夢を見やすくなります。レム睡眠のたびに無理に起こして夢をはく奪する実験では、精神状態が不安定になり、イライラしやすくなることがわかっています。このことから、夢の内容にかかわらず、夢は心身の健康維持に欠かせないものだと考えられています。



レム睡眠は睡眠後半に増えるので、睡眠時間が短いと十分にとることができません。かつ、明け方に増えるので、夜ふかし朝寝坊や、昼夜逆転の睡眠サイクルだとレム睡眠が不十分になってしまいます。



12時までに就寝し、20~50代なら7~8時間、60代以降は6~7時間を目安に睡眠をとってみてください。



寝始めの深い睡眠だけでなく、レム睡眠も重要!

バランスをとっていきましょう。




 
 
 

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