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203. リカバリーウェアを正しく選ぶ

  • 執筆者の写真: 三橋美穂
    三橋美穂
  • 10月1日
  • 読了時間: 3分

(2025/10/01)



ここ数年、雑誌やネットで目にする機会が増えた“リカバリーウェア”。

「着るだけで疲労回復」「ぐっすり眠れる」といったキャッチコピーに惹かれ、気になっている方も多いのではないでしょうか。



その仕組みは、こうです。

生地にセラミックや鉱石のパウダーを練り込むことで、体から放出された熱を反射し、じんわりと体を温めます。この温熱効果により血流がスムーズになり、筋肉のこりをやわらげたり、睡眠の質が高まる効果が期待されます。



しかし一方で、「思ったほど効果を感じない」という声があるのも事実。これは決して製品が無意味なのではなく、いくつかの要因が重なっています。



●スリープウェアとしての基本性能のミスマッチ

リカバリーウェアも“衣類”である以上、パジャマと同様に保温性・吸湿性・サイズ感が重要です。冬場に薄手すぎるものを選べば冷えが気になり、逆に夏に厚手の素材では蒸れて不快に感じます。サイズが合わず窮屈さやダブつきがある場合も、効果以前に快眠の妨げとなります。



●素材が好みに合わない

肌に触れる時間が長いからこそ、素材の違和感は大きな問題です。リカバリーウェアは化学繊維が多いので、肌にまとわりつく感触が苦手な人もいます。どれほど機能的でも、不快な感触では効果を実感しにくくなります。



●感じ方は個人差が大きい

リカバリーウェアは薬ではないので、サプリメントのように感じ方には個人差があります。疲労の種類、体質、ストレスの度合い、睡眠環境など…。こうした条件が違えば、同じ製品を着ても実感できる効果は大きく変わります。



●睡眠環境や生活習慣の乱れが根本にある

カフェインの摂取、寝床スマホ、遅すぎる就寝時間…。こうした生活リズムの乱れが続くと、ウェアのサポート効果が埋もれてしまいます。



では、どうすれば効果を実感しやすくなるのでしょうか?



1)快適性重視で選ぶ

リカバリーウェアの選び方は、パジャマと同じ。季節に合わせた保温性、肌触りのよさ、吸湿性、サイズ感が合っていることが大切です。ぜひ試着をして選んでみてください。



2)エビデンスも確認

科学的なエビデンスの有無を確認することも大切です。メーカーが実施した臨床試験や学会発表、論文などに基づいた裏付けがある製品を選びましょう。



3)数週間は続けてみる

一晩や数日で判断せず、少なくとも2~3週間は使い続けてみてください。体調の変化は緩やかに現れるため、改善に気づくには時間が必要です。



4)睡眠環境も整える

別の要因で、睡眠が阻害されているかもしれません。光・音・温度・寝具などの基盤もしっかり整えましょう。



リカバリーウェアは魔法のように、全てを解決してくれるわけではありません。正しく選び、習慣や環境と組み合わせることで、眠りと回復をサポートしてくれるでしょう。



私自身は化学繊維が苦手なので、リカバリーウェアへのこだわりはありません。生地やデザインのバリエーションが豊富な上質な綿のパジャマの中から、季節によって使い分けています。



綿が気持ちよく感じる理由は、繊維の断面が丸く、やわらかな肌触りだから。吸湿性も高いため、睡眠中の汗や湿気をしっかり吸い取ってくれます。さらに、繊維内部に空気を含むため、通気性と保温性を兼ね備えており、夏は涼しく冬はあたたかい快適性をもたらします。静電気も起きにくいため、安心して着られる素材といえます。



どちらであっても、快適性重視で選ぶと睡眠の質はグンと上がります。お気に入りの一着と出会えますように!

 
 
 

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